マーケティングの基礎トレでもお伝えしていますが、「守破離」という言葉があります。守破離とは、ひとつの「道(茶道、武道、芸術、スポーツなど)」を極めるために大切にされてきた修行のためのステップ、師弟関係の在り方を示した言葉です。思想と言い換えてもいいかもしれません。
最初は師や流派などの教えや型、技を忠実に「守って」修練して確実に自分のものにしていく。そして、それらを身に付けたら外の考え方なども吸収して良いものをさらに取り入れて型を「破り」、新しい考えや型、技を生み出して師や流派から「離れていく」一連のプロセスのことを言います。
我流でできることもあるかもしれませんが、先人が培ってきた知見を活かせばより早く目的を達成することもできるかもしれません。その知見を活かさない手はないのではないでしょうか。まずは「型」を覚えるのは大切なこと。マーケティングのプロセスにも基本的な「型」がやはりあります。
それを網羅してザクッと全体像を掴む上で役立つのが、グロービス経営大学院が出版する本著。
マーケティングがなぜ今の時代に求められているのかという背景から始まり、マーケティング戦略策定のプロセス(環境分析、マーケティング課題の特定、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、マーケティング・ミックス、実行計画の策定など)や最近の傾向まで、基本として知っておいた方がよいことをザッと理解することができる入門的な内容になっています。組織の中でのマーケティングの位置づけ・役割といった基本スタンス、マーケティングの話をする上で頻出のフレームワークや用語なども一通りおさえることができるのが利点です。
あくまでも私見ですが、おそらく日本で出版されている書籍の中で、コンパクトにマーケティングをしっかり網羅して学ぶことができる数少ない1冊でしょう。本サイトでは現時点(2018年3月17日時点)でカバーできていない内容もカバーされています。
読み進めていく中で、さらに理解を深めたい点、よくわからない点が出てきたらその分野にテーマを絞った別の書籍を読むとより理解が深まります。全体像をつかみながら部分をおさえていく。部分最適に陥らないために必要なことでもあります。それを繰り返していきながら同時に実践を。インプットしたことは繰り返しアウトプットしないとやはり身に付かないですし、使いこなせるようにはなりません。まずは実践あるのみです!
もっとガッツリ、マーケティング全体について学ばれたい方のために、後日よりつっこんだ内容の書籍もご紹介できればと思います。テーマ別の本もご紹介しますので、よろしければご覧ください。
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