4Pとは?
4P/4Cもともにマーケティングミックスを考える上で重要なフレームワークです。それぞれ、異なる視点で物事を見ていると言えます。まずは4Pについて説明をします。
4Pは、1960年代にハーバードビジネス・スクールの教授、E・ジェローム・マッカーシーが提唱したフレームワークです。自社の視点でマーケティングミックスを考えるという特徴があります。4PのPは、Prroduct(製品)、Price(価格)、Promotion(販売促進)、Place(販売ルート)の頭文字をとったもの。これらの視点に立って、どのようにマーケティングを仕掛けていくかを考えるものです。つまり、企業がいかにして消費者に効率的にモノやサービスを販売していくかという視点に立ったフレームワークだと言えます。
マーケティングの最も原典的なもうひとつのフレームワークである「STP」で、市場を細分化し、勝負すべきターゲットセグメントを決定した後は、そのターゲットセグメントで勝負する製品を開発しなければなりません。その時に4Pの視点で考えると、効果的にマーケティングミックスの設計が可能になります。
4Pの視点
1.Product(製品)
品質、デザイン、ブランド名、パッケージ、サービス、保証。
2.Price(価格)
標準価格、値引き、リベート、取引条件。
3.Promotion(販売促進)
販売促進、PRをするための手段。
4.Place(販売ルート)
店舗の営業日、営業時間、注文方法、問い合わせ方法、決済方法、リサーチ方法、販路。
4Cとは?
4Pが時代遅れのフレームワークだと指摘し、1990年にロバート・ラウターボーンによって提唱されたフレームワークが4Cです。4Pが組織視点に立って考えるフレームワークであるのに対し、4Cは顧客視点に立って考えるフレームワークだと言えます。Customer Value(顧客にとっての価値)、Customer Cost(顧客が負担する費用)、Convenience(顧客にとっての利便性)、Communication(顧客とのコミュニケーション)の頭文字をとったものです。
上記4つの視点から、マーケティングミックスを考えることになります。4Pと4Cはそれぞれの視点に対応したものになっており、どちらの視点に立ってみるかの違いが大きいと言えるでしょう。
顧客にいかに価値を提供するか(問題解決など)を考えると、4Cの視点はたしかに不可欠。売る側の論理だけ(プロダクトアウト)でなく、顧客側の論理(マーケットイン)は重要であるのは間違いないです。
ただ、4Cだけを見ていればいいのでしょうか?個人的には、4Pの視点と4Cの視点を相互に行き来しながら、顧客への価値と実際に組織として現実的に存続・成長できる状態を実現する方法を探っていく方が現実的ではないかと思われます。どちらか片方だけでは、事業が立ち行かなくなる可能性もあるのではないでしょうか。
4Cの視点
1.Customer Value(カスタマー・バリュー:顧客にとっての価値)
ターゲットにとってのメリット、悩みの解決。
2.Customer Cost(カスタマー・コスト:顧客が負担する費用)
ターゲットが節約できる金額や時間、あるいは避けられるリスク。
3.Convenience(コンビニエンス:顧客にとっての利便性)
顧客が可能な限り早く、手間をかけずに製品情報や製品を入手できる方法。
4.Communication(顧客とのコミュニケーション)
双方向のコミュニケーションを生み出す手段。