マーケティングも守破離が大切。

MBAとは?


MBAとは?

MBAとは、Master of Business Administration という学位の略称です。よく資格だと思われている方もいらっしゃいますが、そうではありません。よく資格を特集した雑誌で紹介されていることがあるため、勘違いをされている方も多いのではないでしょうか。

MBAでは、組織にとっての経営資源であるヒト(人的資源管理)、カネ(財務会計)、モノ・サービス(オペレーション、マーケティング)、情報、に関わるテーマを体系的に学ぶことができます。これに経済を理解するためのマクロ・ミクロ経済学が加わり、基本的なMBAの科目が構成されています。これらの知識をベースに実務的な経営戦略を学ぶMBAは、他の分野の修士号とは異なり、職業的能力の習得を意味する専門職学位(Professional Degree)に位置づけられています。

体系的に学ぶ中でマーケティングの位置づけを理解することは、マーケターとして成長するためにも意味あるものでしょう。

新興国でも注目度が増してきたMBA、日本でも何度かMBA取得ブームが起きてきました。

グローバル化が急速に進むビジネスの世界。もはや自国内を見ていただけではビジネスを成長させるのが徐々に難しくなってきていると言えるかもしれません(もちろん、ビジネスの内容にもよりますが)。世界で通用するグローバルスタンダードな経営スキルが、企業収益に大きく影響し始めてきています。そのような変化を受け、日本でも体系的かつ実践的なビジネススキルを学べるMBA教育が注目されるようになってきました。国内での需要も増してきていると言えます(一方で、MBA不要論も巻き起こっていますが。正解はありませんが、様々な意見を読み解いてMBAが必要かどうかは皆さん自身でご判断ください)。

最近では新興国を代表する中国やインドなどでも、急速な経済成長を支えるべく、MBAで得られる体系的な知識が必要とされるなど、世界的に見てもMBAのニーズは高まってきていると言えます。一方で、MBAを取得している人の絶対数が増えてきているという現状もあります。そのため、MBAで幅広い力をつけること、それを証明する学位をもっていることに加え、ご自身ならではの強みや専門性を磨き続けることは意識し続けた方が良いのではないでしょうか。

MBAは身近?実際はハードルの高いMBA学習

以前は数千万円のコストをかけて、欧米の大学院に2年間留学しMBAを取得するスタイルが一般的でした。昔、日本でも第一次(?)MBA取得ブームが起きていたときには、会社のお金で海外のビジネススクールにMBAを取得しに行くビジネスパーソンが多くいたそうです。しかし、日本国内でも2001年頃から、社会人を対象にしたビジネススクール(経営大学院)が次々と開校され、もっと身近に学ぶことができる環境が整ってきました。

それ以降、忙しい社会人が会社を辞めずにこうしたMBAの学びを進められるよう、夜間や週末の通学をベースにした社会人MBA大学院や、本プログラムのようにITを活用した遠隔学習型のMBA大学院などが次々と開校されてきています(今はそれもひと段落したのではないかと思えますが)。 ただし、欧米と比べ、終業時間が遅く、不規則なスケジュールで働くことも多い日本の社会人にとって、毎週決められた曜日にキャンパスに通学することがなかなか難しいのも間違いないこと。仕事や家庭と両立しながらいかに学び続けるかという点をしっかり考える必要があります。

また、グローバル時代にプロフェッショナルとして活躍するには、英語は必要不可欠でしょう(あくまでも語学もひとつのツールにすぎませんが)。日本語をベースにした国内のMBA教育の中で、英語力をいかに向上するかも大きな課題となっています。しかも、海外のビジネスパーソンとビジネスを行うためには、当然「英会話ができる」ではなく「英語でビジネスができる」といったレベルの英語力が求められます。そのような力を身に付けるためには「英語を学ぶ」ことに加えて「英語でMBAプログラム(ビジネス)を学ぶ」ということも重要になってくるという指摘もされています。英語は完全に後回しにして、まずは理解を深めるために母国語である日本語で学ぶという考え方もあるので、何が良いのかは一概には言えないのですが・・・。

現在は海外の英語のMBAプログラムをオンラインで受講することできるようにもなっています。オンラインで学ぶ環境が整ってきていることは、忙しいビジネスパーソンにとってもありがたいことなのではないでしょうか。

ちなみに、MBAプログラムの多くでは、1科目からスモールスタートすることができる単科コースを設けています。まずはマーケティングなど、気になる1科目から受けてみることもできます。そのようなところからチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。

MBAの学習内容とビジネススクールによる違い

MBAプログラムでは、ファイナンス、アカウンティング、マーケティング、組織論、経済学、統計学、戦略論など、経営に関する必須知識を体系的に学習することは冒頭でもお伝えしました。これらの基礎的な部分は、世界レベルでほぼ標準化されており、ビジネススクールによってレベルや内容に大きな差は実はありません。もちろん、その中でどこまで広く深く各テーマを学ぶことができるかといった細かい違いはありますが。

また、最近では、ビジネススクールの講義エッセンスをまとめた書籍なども数多く発刊されており、各スクールで教えられている内容は、単なる知識レベルでの学習であれば書籍からでも学習可能だと言えるでしょう。そのため、本当にご自身の状況を考えてMBAプログラムを提供しているビジネススクールで学ぶ必要があるのか、不幸な結果にならないように自問してみることをお勧めします。

ビジネススクールで学ぶ本当の価値は、そこで得られる「経営知識」だけにあるのではありません。数多くのディスカッションや実際の企業分析・フィールドワーク等、厳しいトレーニングを重ねる事で、学んだ知識を「実践力」へと昇華させていくことができることに価値があり、その訓練の場がビジネススクールだとも言えます。

実際の企業事例を取り上げ、「あなたがこの会社の経営者だったらどう判断するか」という前提で、講師・学生でディスカッションを行う「ケースメソッド」、チームごとに実際存在する企業の仮想コンサルティングを行うプロジェクトなど、ビジネススクールはそれぞれ工夫を凝らした学習方法を提供しています。またMBAプログラムの基礎科目に加えて、カリキュラム全体を通じて起業家教育に力点をおいた教育を行ったり、豊富な実務経験を持つ講師陣を揃えたりすることで、アカデミックに偏らない実践的な教育を行うなど、各スクールで差別化を図っています。

つまり、共通して学ぶことができる内容に加え、学ぶビジネススクールによって特に鍛え上げることができる力が変わってくると言うことができます。

MBA取得のプロセスの中で学ぶことができる体系的な経営知識、そしてMBAという学位自体にも当然大きな意味があります。しかし、繰り返しになりますが、それ以上に皆様がご自身の目指されるものに近づくためにどのような力をMBAプログラムの学びの中で身に付けていきたいか、鍛え上げていきたいかという視点がビジネススクール選びでは必要不可欠です。実践の場で成果を上げることができなければ、せっかくの学びやMBAの学位も、宝の持ち腐れになってしまうでしょう。

戦略的にご自身に必要な力を鍛え上げていくこと。それによってご自身の価値を磨き上げていくこと。それが、MBAホルダーが増えていく中でご自身を差別化していくことにもつながっていくのではないでしょうか。多くのMBAホルダーにこれまでお会いしてきましたが、ヒシヒシと感じてきました。

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