マーケティングも守破離が大切。

リスティング広告


リスティング広告とは?

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などのような検索エンジンで検索をしたときに検索キーワードに応じて表示される広告のことです。そのため、検索連動型広告とも呼びます。検索結果の上(つまり検索窓の下)に表示されているのを皆様もご覧になったことがあるのではないでしょうか。代表的なリスティング広告は、Google AdWordsとYahoo!プロモーション広告。各検索エンジンやパートナー提携している検索エンジンに広告が表示されるようになっています。

費用はクリックされたときに初めて発生し、毎月クリックによりかかった費用が請求されるようになっています(つまり、クリックされなければ費用は発生しません。月が変わって2営業日程度で前の月の合計出稿金額が確定するようです)。そのため、PPC(Pay Per Click)広告とも呼ばれています。PPC広告=リスティング広告という意味で使う方も多いですが、Google AdWordsなどの広告メニューのひとつであるGDN(Google Display Network)などのディスプレイ広告もクリック毎に課金がされるのでPPC広告だということができます。

リスティング広告のメリット

1.キーワードの背景にある検索意図に合わせた広告表示が可能。

キーワード単位で入稿をすることができるので、ユーザーが入力するキーワードの背景にはどのような検索意図があるのかを予測しながらニーズにあった(その可能性が高い)広告を表示させることができる。検索者の意図に合った広告を情報として提示できれば、資料請求などのリード獲得につながる可能性が高くなります。

2.出稿金額を自由に設定可能。

広告を出稿するための金額(1クリックあたりの広告費)は自由に設定することができます。そのため、低予算で実施できることも大きなメリットです。また、金額によって広告の表示(広告掲載順位、表示頻度など)をある程度コントロールすることができるのも特長です。正確にいうと、「上限クリック単価(1クリックの金額は最大この金額までは出してもいいと指定する金額)」「品質スコア(その広告のクリック率などのパフォーマンス)」でクリック単価は決まってきます。検索順位は「広告ランク(上限クリック単価と品質スコアによって算出)」によって決まります)。

3.他の広告メニューに比べると審査期間が短い傾向にある。

出稿するまでに審査(広告表現やリンク先などに問題がないかチェックされます)はあるものの、他の広告メディアに比べても出稿までにかかる時間が短い傾向にあります。

4.広告の表示/非表示が自由に設定できる。

リスティング広告のデメリット

1.競合の出稿状況の影響を受ける。

入札制のため、競合の出稿状況(競合となる広告の上限クリック単価、品質スコア、多さなど)に効果が左右されます。検索数の多いキーワードは人気が高く、もともとクリック単価が高くなりがちですが、競合が上限クリック単価などを上げることで全体のクリック単価が高騰し、採算性が悪くなることもあります。その場合、資金力がないと高騰した状態で広告出稿を続けるのは難しいですし、広告効果を全体的に落とすことになりかねません。その場合は、別の作戦を考えなくてはなりません。

2.運用の手間がかかる。

広告の修正はもちろん、入札する際に重要となる上限クリック単価などの調整も自分で行う必要があります。操作に慣れるまで、初めは苦労するかもしれません。

運用を代行する広告代理店もあるので、状況によっては広告代理店に運用をお願いするのも手です。その場合、多くの代理店では運用手数料として20%を取っています(より安い手数料で運用をしてくれることもありますが、条件次第です)。ただ、広告代理店によってサービスレベルにかなり差があるので、運用開始前にこちらの要求水準を満たすレベルなのかを必ず確認してください。

ディスプレイ広告という手法

検索連動型以外にディスプレイ広告も各広告媒体にて利用することができます。ディスプレイ広告は、GoogleやYahoo!などが提携しているメディアやブログなどに表示される広告形式です。皆様もメディアを見ているときに大きなバナーをご覧になったことがあるかもしれません。本サイトでも記事の中に広告が出てきているかと思いますが、それです。

そのメニューも様々なのですが、大まかに分けると人の興味・関心に合わせて配信するもの、一度以上自分のWebサイトを訪問をしたことのある人に配信するもの、自分のサイトを訪問したことのある人と似た人(見ているWebなど)を推測して配信するものがあるとお考えください。

運用について

リスティング広告を開始するためには、自分で各広告媒体に申し込みをして設定をするパターンと、広告代理店など第三者に運用をお願いする場合が考えられます。それぞれ一長一短ありますので、自らが置かれている状況、優先すべき条件などをもとに適切な方を選択してください。

広告の具体的な設定方法・運用方法を理解する際に、基本的な用語を理解しておく必要があるので次ページ以降に最低限知っておかなくてはならない用語を、プロセスに沿って順番にまとめます。初めてリスティング広告の運用をする場合は、辞書のように参考にしていただければと思います。

基礎用語

1.アカウント

広告を運用する際に広告運用主に発行されます。アカウントにログインをして、広告の各種設定や簡易的な効果検証を行います。

2.キャンペーン

リスティング広告を構成する最大単位です。広告ではキーワードを登録しますが、それらをまとめて運用する方が効率的に運用することができます。そのためにキーワードをグループごとにまとめるのですが、その際の最も大きなグループとお考えください。キャンペーンでは、主に予算(バジェット)、配信曜日・時間、配信先のデバイス(PC、スマートフォン、タブレット)、配信地域の設定をすることができます。

3.広告グループ

キャンペーンの中に設定されるもう1段階小さい運用の単位(まとまり)です。広告グループでは、広告の設定(タイトル、広告文、出稿キーワード)をすることができます。なお、広告文には文字制限があり、タイトルは15文字まで、説明文は19文字×2行までです。この短い文章の中で誰に対して何を訴求するかが鍵です。難しいですが、醍醐味でもあります。

ここまできたら、運用開始です。広告媒体に申請をして、承認がおり次第広告の配信がスタートします。広告掲載基準に適切に則っていないと審査で落とされるので、レギュレーションはしっかり守りましょう。また、キーワード選定については検索クエリ(どのくらいそのキーワードが検索されているのかという目安)を参考にしながら考えると効果的です。

運用を始めたら、入札価格の調整などPDCAをまわしていきながら(上限クリック単価の調整、広告文の修正など)効果改善を進めていきます。その際にチェックすることになるのは主に下記の指標です。基本的なもののみまとめます。

4.表示回数(インプレッション)

広告が検索者やメディアなどの訪問者に表示された回数。

5.クリック

表示された後に実際にクリックされた回数。

6.クリック率(CTR = Click Through Rate)

表示された回数に対してクリックされた割合。

7.クリック単価(CPC = Cost per Click)

1クリックあたりにかかった金額。

8.コンバージョン数(CV = Conversion)

広告をクリックした人が、その後に目標となる行動(例えば、メルマガ登録、資料請求など)をとった数。

9.コンバージョン率(CVR = Conversion Rate)

広告をクリックした人が、コンバージョンに至った率。

10.コンバージョン単価(CPA = Cost Per Acquisition)

1件のコンバージョンを獲得するのにかかった費用。

11.ビュースルーコンバージョン

表示されたディスプレイ広告をクリックせずに30日以内にコンバージョンに至った際にカウントされるもの。

12.インプレッションシェア

「実際に表示された回数」を「広告が本来表示される可能性のあった回数」で割った数。インプレッションシェアが低く、本来表示されていたはずの回数と大きく乖離している場合は、予算が不足していたか広告ランクが低かった等の原因が考えられます。予算配分やキーワード見直し等をする必要があるか否かを判断する目安として利用します。

13.品質

Googleでは品質スコア、Yahoo!では品質インデックスと呼びますが、要は広告がどれだけ利便性が高いか、親和性が高いかなどを10段階で評価(最高は10)したものです。表示された広告やリンク先ページの利便性が高いかどうかなどを判断基準に品質を評価します。

14.広告ランク

リスティング広告の掲載順位。前述のように、品質スコアと入札価格などによりランクが決まってきます。

大体ここまでがアカウントの管理画面から確認することができる指標です。Google AdWordsについてはGoogle Analyticsと連携をさせることでより細かい指標を見て効果検証することもできます。ぜひ設定をしてみてください。なお、管理画面などで確認できないものの、自分で計算をして把握しておいた方が良いのは以下のものが挙げられます。

1.ROAS(Return On Ad Spend)

広告の費用対効果のことで、広告費用に対する売上金額の比率を見ます。

2.ROI(Return On Investment)

投資対効果のことです。投資した広告費に対する実際の利益がどのくらい出たかを見ます。

(コンバージョン数×平均利益単価-コスト)÷コスト×100%

という計算式で算出してください。

これらの指標を参考しながら、広告運用のどのあたり(表示回数が足りないのか?クリックがされていないのか?クリックされていたとしてもコンバージョンに至っていないのはなぜか?など)を検証していくことになります。広告効果を向上させるためにはPDCAが不可欠です。ぜひ腰を据えて取り組んでいきましょう。

広告代理店と付き合う上での注意点

1.決して丸投げはしない。

彼らは広告の運用はできますが、皆様のビジネスを理解しているわけではありません。

ビジネス特性、顧客特性など、広告を考えて運用する上で重要なことについてはほぼ知りません(同業の広告運用経験がある場合でも、意外と理解が足りないことがあります)。この点は皆様が主導しながら、広告代理店と議論しながら試行錯誤をしていく必要があります。

また、彼らが重視するのは「いかに多額の運用費用を顧客からもらって、確実に消化して、少ない利益率でも自分たちの収益を上げるか」ということです。広告効果が芳しくなくても、こちらが特に何も言わなければ平気で広告予算の消化を目指すことがよくあります。

遠慮する必要はないので、広告効果が芳しくない理由をしっかり仮説立てしてもらい、改善に向けた打ち手をしっかりと取ってもらってください。その際、広告代理店には説明責任があるので、打ち手の内容と実際の効果を明確に報告してもらってください。

完全に丸投げにすると、まず間違いなく広告効果は上がりません。自分たちの仮説も持ちながら、気になることは積極的に質問していってください。

2.実際に運用する人のスキルを確認する。

運用する広告費用によって、広告代理店側で実際に広告運営をするスタッフやスタッフのレベルも変わってきます。例えば、広告予算が低額(50万円未満)の場合、多くは経験値の低い運営担当者がつきます。代理店によっては、担当営業が自ら広告運用をしているケースも多くあります。また、広告運用の細かいチューニングは手間がかかるため行われないケースも多いです。

そのため、広告運用を発注する際には、営業担当者に「実際に誰が運用するのか?」「どのようなスキルや経験を持っている担当者なのか?」「基本的な運用方針はどうなっているのか?」「どこまで柔軟に依頼に応じてくれるのか?」などを必ずチェックするようにしてください。体制図を示させるのも手です。

もし明確な回答が返ってこない場合、広告運用のレベルが低い担当者がつくことになる可能性も高いです。また、提案時の体制でしっかりと運営が続いているかも定期的に確認してください。効果が下がったと思っていたら、運用担当者が変わっていたということもあります。

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