昨日は、情報を活かす上で必要な型を身に付ける際に参考になる書籍をご紹介しました。型を身に付けることはとても大切なことです。だからこそ、マーケティングの基礎トレでもまずは型を皆さんに身に付けていただくよう、コンテンツをご用意しています。
しかし、情報を活かす型を身につけたとしても、それだけで“効果的な解”が導き出せることはありません。そもそも解を導き出すための行動に入る前に、アウトプットとして何を生み出すことに意味があるのかを考える必要があるのです。その重要性を指摘しているのが、本著の著者です。それが、“価値(バリュー)のある仕事(打ち手が成果につながる意味ある仕事と言い換えてもいいかもしれません)”につながると主張をしています。私自身もマーケティングに携わるうえで、このことは身に染みて感じています。この書籍に出会ったときに、過去の仕事を振り返って反省をしていました・・・。
著者がいう“価値(バリュー)のある仕事”とは、イシュー度(自分が置かれた局面でその問題に解を導き出す必要性の高さ)、解の質(イシューに対してどこまで明確に意味ある答えを出すことができるか)の2つがともに高いテーマに取り組むことです。このテーマ設定が重要なのです。ただ、著者の経験上、どちらも最初から実現することは難しいので、まずはイシュー度の高い問題を見極められるようにすると良いとしています。打ち手がはまったときのインパクトが大きいためです。解の質は、本質的な課題に対して取り組むことで自ずと向上してくるといいます。
イシュー度の高い問題を特定するためには、「何に答えを出す必要があるのか」から議論を始め、仮説を立て、「何を明らかにする必要があるのか」という流れで分析を設計することが大切です。そして、それを見立てる力を鍛えるためには、専門家や知恵者などの良き相談相手が不可欠だとしています。自分にはいないよと思われるかもしれませんが、よくよく自分のまわりを見てみるといるものです。まずは自分のまわりを、まわりにもしいないようであればまわりの知人友人のつてをたどれば意外と見つかるものです。
そして、それらを考えるための材料(手がかりとなる情報)を集める上で、「1次情報に触れること」「(フレームワークや数字、問題意識をもとに)基本情報をスキャンすること」がポイントとなります。
ただ、繰り返しになりますが、情報を多く集めればいいというものでは決してありません。著者も指摘していますが、情報収集にかけた努力・手間とその結果得られるものはあるところで頭打ちになりますし、知り過ぎることで自分ならではの視点がゼロに近づき生み出される知恵が減退していきます。「べき論」に縛られ、柔軟な発想ができなくなることも。ついついやってしまいがちですが、気をつけたいところです。自戒の念を込めて。マーケティングに携わるものとしても忘れずにいたいと思います。
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